もし1000万円の債務を負ったら、どうなるのでしょうか。
初めまして、僕は鄭國權(テイコクケン)と申します。
Ambitionsの創立者です。
台湾で生まれ、24歳まで台湾で育ちました。
その後日本に来て、貿易や商品企画や製造などの会社に勤め、現在に至りました。
今回はAmbitionsの理念と由来をシェアしたいと思います。
人生の転落
さて、冒頭のようにもし1000万円の借金をしたら、どうなるのでしょうか。
小学5年生は人生の転落でした。
父のビジネス失敗で300万台湾元(約1000万円)の債務を負ってしまいました。
かつ失敗を認めない父親が逃げてしまったため、債務は僕と母の責任となっていました。
勿論、小学5年生であった僕はどうしようもできなかったので、ほとんどの債務は母が負いました。
1000万円の債務を負ったら、どういうような気持ちでしょうね。
まずご飯は食べれる物であれば何でも美味しいです。母は必ずご飯を用意してくれるが経済的に厳しかったので、一口の肉ぐらいあればもう十分満足でした。
そして家の電気や水が止まることもよくあり、普通だと感じるほどになりました。
あと、電話やドアに絶対に出てはいけません。なぜというと、基本的にヤクザや債権者が「おい!金を出せ!」と呼びかけられ、暴力の心配もあったからです。
一生忘れない靴屋の思い出
そのような環境で成長していたため、「遊び」や「ファッション」などの「楽しむ」ことは基本的になかったです。
今でも覚えているのは、靴屋に入ったら唯一行く所が「在庫処分」のところです。
台湾の場合は「在庫処分」や「廃盤品」が非常に安い値段で買えます。
「あれ、25.5のサイズがないな…仕方ない、25にしよう」残りの物だから、自分に合うサイズはなかったこともありました。
サイズは合わなかったとしても激安150元(約525日本円)で買えたらもう十分満足です。
お金がないから仕方がない、という考えでした。
しかし安い物はどうしても耐久性の問題があります。特に靴は毎日履くものです。耐久性が悪ければ、すぐ壊れてしまいます。
一番早かったのは三日で死にました💦💦
地獄の工場
その後ショックを受けたのは高校卒業後、大学に入学する前でした。
母は債務のため、毎日も十五、十六時間働いていました。
僕はバイトしようと言ったら、母に断られました。
「バイトの時給は110元(約日本385円)。あんたは毎日それだけ稼ぐつもりなの?
あなたはもっと輝く人生があるから、時間をしっかり運用し、いい大学に入って、いい会社で勤めるのが大事!」と言っていました。
しかし母が重労働をしているのを見たら、子供としてやはり心が痛みました。
なので、高校卒業後から大学入学までの間は4か月の時間があるため、母と一緒に工場で働くことになりました。
工場とは、日本に言えば3K「きつい・汚い・危険」の仕事です。
仕事内容は重い鉄の原料を機械に差し込んで、機械が自動的に原料を必要な形に磨きます。
簡単な仕事でした。
が、非常に危険な仕事でした。少し油断したら指が機械に切られたり、指が巻き込まれたりすることもあります。
僕が大学に入学した後母から聞いたのですが、一人優しいおばあさんが巻き込まれ、指を失ったそうです。
そして保険はありませんでした。
健康保険や給料面も非常に厳しく、基本的に台湾でこういった工場は日本で言えばブラック企業と同じです。
貧乏は罪?
その話を聞き、たった4ヶ月体験した「地獄」の生活について、ずっと考えていました。
少しスピードが遅ければ、管理者に「おせぇ!お前!」と怒鳴られます。
母はそのような地獄でずっと働いていました。
次々に考えていくと、
「貧乏は罪なのか。
貧乏は生きる権力もないか。
貧乏は人間としてのプライドもないのか。」
とずっと自分に問いかけていました。
ラッキーの大学生活
僕は非常にラッキーな人間です。
大学に入学後、多くの恩人と出会いました。
大学の日本語学科にいる先生は全員優しい先生です。
経済的にも精神的にも支えてくれた人が多く、非常に感謝しています。
バイトをする際に、2倍のバイト代をくれた先生もいますし、いつもご飯を奢ってくださった先生も何人もいます。
そして自身が小説を書くのが好きだったので、ある作者が運営していた塾にバイトをしました。
色々な人生の話を教えてくれ、今でも心に残ることは
「僕(作者)は太陽のように、他の人を温めたいんだ」と言っていました。
今考えれば、僕の人生は少しずれたらすぐ外道に入ってしまいます。
多くの優しい方と出会ったからこそ、今の鄭國權がいます。
そのため、縁があって日本に来た機会があり、貿易や商品企画や製造などを経験しました。
多くの経験があったからこそ、今度は僕が「他の人を温めたい」と思い、Ambitionsを立ち上げました。
「Ambitionsの理念」とは
僕自身は「一流企業、大手メーカー」などには興味がありません。
自身の苦しんだ靴屋のことを思い返し、
「手頃な価格で耐久性が良く、デザインも良い」ことを理念として展開します。
自身の能力範囲でお役に立てれば幸いです。
実はまだ沢山シェアできることもありますが、今回まずはAmbitionsの理念と由来をざっくりシェアしました。
不定期に細かい話をシェアしていきたいので、是非またお読みください。